2025年「県民の警察官」元内健警部補・高木保正警部補 県民の安心安全に寄り添って【福島発】
福島県民の安全を守るために力を尽くしてきた警察官を表彰する「県民の警察官」。2025年は2人が受章した。交通部門のスペシャリスト・福島警察署交通第二課の元内健警部補と、東日本大震災の被災地の治安を守ってきた双葉警察署復興支援係の高木保正警部補。長年大切にしてきた、その思いに迫った。
<当事者の目線に立って 元内健警部補>
車と自転車の衝突事故が起きた、福島県福島市の交差点で行われていたのは実況見分。
「痛いのは左側ですか、頭も左ですね」
福島警察署・交通第二課の元内健警部補は、交通事故捜査などを長く担当してきた交通部門のスペシャリストだ。「ケガした本人は、一番切ない思いをしている。加害者的な立場の方も、やはり事故を起こして切ない思いをしている。そういったところを酌みながら、色んなお話を聞いている」と話すように、当事者の目線に立ち、事故の原因を徹底的に探る。どうすれば事故を防ぐことができるのか考え続けてきた。
先輩から教わってきたこと、そして自分の経験を次の世代へ伝えることにも尽力している。「残りの警察人生、やはり若い人の指導・伝承に力を向けてやっていきたい」と話し、後輩たちにも積極的にアドバイスを送る。
「交通事故を1件でも減らす」という揺るがない思いは、受け継がれていく。
<被災地に寄り添って 高木保正警部補>
「震災当初より、随分復興はしていると思いますが、まだまだ先は長いと思いますので」と話すのは、双葉警察署・復興支援係の高木保正警部補だ。東日本大震災当時から、被災地の復興を治安の面から支えてきた。
あの日からまもなく14年。福島県内では196人が行方不明のままだ。
高木警部補は「まだ行方不明者の方が大勢いる。当署管内だと確か45名いると思いますので、少しでも手がかりを発見できるよう努力していきたい」と語る。
住民が安心して暮らせるように住宅をまわり、侵入された形跡などがないか念入りに確かめる。「一回だけではなく、繰り返し空き巣に入られる可能性もあるので、それを予防できればと思っている」と高木警部補はいう。
警察官として、どのように被災地に寄り添えるか...高木警部補は「同僚・後輩に思いを引き継いで、風化させないよう引き継いでいきたい」と話した。
<感謝と決意 これからも>
2025年2月7日に福島市で行われた表彰式では、それぞれに表彰状などが手渡された。会場には多くの同僚などが駆けつけ、2人の受章を祝った。
双葉警察署・復興支援係の高木保正警部補は「上司や同僚、家族に感謝しかありません」と話し、福島警察署・交通第二課の元内健警部補は「良いこと悪いことたくさんありましたが、今となってみれば全てがいい思い出として受け止めております」と話した。
これからも、県民を守る警察官であり続ける。