処理水放出でカラになったタンク 側板解体完了し残すは底板<福島第一原発>

福島第一原子力発電所では2月28日、処理水放出によりカラになった溶接型タンクの側面部分の解体が完了した。1基目のタンク解体は、底板を残すのみとなっている。
東京電力は、2023年8月からはじまった処理水の海洋放出をめぐり、放出によってカラになった溶接型タンクの解体作業を2月14日から始めている。
まずは1基目のタンク上部の「フタ」にあたる部分の撤去を行い、19日からは側面の切断を開始。側面は12分割し、28日までに解体を完了した。
底板の撤去は3月3日以降から実施し、1基目のタンク解体完了は3月上旬の見込み。
現在解体が決まっている溶接型タンクはあわせて21基。このうち12基は2025年度中に解体を目指す。
処理水の海洋放出をめぐっては、これまでに通算10回、タンク78基分ほどが薄められて海に放出されている。
この海洋放出の背景には、汚染水や処理水をためた1000基あまりのタンクが敷地を圧迫し、燃料デブリや使用済み燃料の取り出しなど、今後進められる廃炉の重要工程に向けたスペースが足りないという課題があった。
切断されたタンクはコンテナに収納し別の場所に保管する計画で、今回の解体後のスペースは、3号機の燃料デブリの取り出しのための施設を建設する方針。
国と東京電力は、2051年までに第一原発の廃炉を完了するとしている。