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処理水放出でカラになった溶接型タンク 1基目の解体完了<福島第一原発>

福島第一原子力発電所では3月4日午前8時すぎ、処理水放出によりカラになった溶接型タンクの1基目の解体が完了した。

東京電力は、2023年8月からはじまった処理水の海洋放出をめぐり、放出によってカラになった溶接型タンクの解体作業を2月14日から始めていた。
まずは1基目のタンク上部の「フタ」にあたる部分の撤去を行い、19日からは側面の切断を開始。側面は12分割し、28日までに解体。3月4日に底板を撤去し、1基目のタンクの解体が完了した。

現在解体が決まっている溶接型タンクはあわせて21基。このうち12基は2025年度中に解体を目指す。

処理水の海洋放出をめぐっては、これまでに通算10回、タンク78基分ほどが薄められて海に放出されている。

この海洋放出の背景には、汚染水や処理水をためた1000基あまりのタンクが敷地を圧迫し、燃料デブリや使用済み燃料の取り出しなど、今後進められる廃炉の重要工程に向けたスペースが足りないという課題があった。

切断されたタンクはコンテナに収納し別の場所に保管する計画で、今回の解体後のスペースは、3号機の燃料デブリの取り出しのための施設を建設する方針。

国と東京電力は、2051年までに第一原発の廃炉を完了するとしている。