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都市部と地方の二極化 福島県の地価 商業地・住宅地の上昇率トップ5が郡山市 水害・過疎地域が下落 

福島県内の「地価」から福島の課題を読み解く。そもそも地価とは、1平方メートルの価格で、土地取引の目安となり、その場所がどのくらいの価値を持っているのかを示すものだ。県内の商業地の最高値は、郡山市の駅前で39万6千円と1年前から1万4千円上昇した。まずは好調な郡山市からその背景を探る。

■地価上昇率トップ5はすべて郡山市
地価の上昇率が福島県内でも最も大きかった場所。車通りの多い道路沿いに面していて周囲には駐車場が多く見受けられる。県内の商業地・住宅地の上昇率トップ5のうちなんとすべてが郡山市だ。
福島県不動産鑑定士協会・副会長の石田英之さんは「郡山市と言うのは県内の中央に位置していまして、交通の利便性が非常に良いですので、企業の投資活動であるとか事業活動であるとか、そういったところが郡山に集中することによって、それが不動産投資にも向かっているんじゃないかと思います」と話す。

■新たな商業施設がオープン
3月14日にも新たな商業施設がグランドオープンするなど商業都市としての強みを見せる。隣の居酒屋「しらぼし」の店主は「駅に近い、歩いても10分か15分ですからね、その点は便利だと思いますけど」と話す。
しかし、こんな「課題」をあげる人も...「車社会ですから、ほとんどここは通過点になってしまうのではないかと、でもその分、車を降りてみようと思うまちづくりは必要なんじゃないかと思いますね」と市街地近くの住民は話す。

■観光地・会津若松市の商業地が上昇
一方「8年ぶり」の変化となった場所も...会津若松市にある鶴ヶ城。平日にもかかわらず多くの人が観光に訪れている。会津若松市の商業地の平均変動率が上昇に転じた理由は、この場所ならではの特性も影響しているとみられる。
福島県不動産鑑定士協会の石田さんは「会津若松市は元々観光への依存度が高い都市ですので、コロナによって落ち込みました観光入込客数というのが、コロナの5類移行後急速に回復してきておりますので」と解説する。

■県内でも二極化進む
都市部が上昇・回復を見せる一方、住宅地の地価を見ると、水害の被害にあったり、人口減少が進んでいたりする地域が下落率の上位となっている。
福島県不動産鑑定士協会の石田さんは「消費者というのは、災害リスクを敬遠する傾向がありますので、元々不動産の利便性というのも大事ですけど、リスクを軽減するようなまちづくりっていうのも地価に影響を与えていくと思います」と話した。

市街地と地方...県内でも深刻な二極化が進んでいる。