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大雪の余波 育苗施設に被害 米どころ会津でハウスを使わない露地育苗の講習会 福島の農業が正念場

3月19日の雨や雪では、福島県内での大きな被害は確認されていないが、米どころ会津に残るのは2月の大雪の影響だ。県内の農業にとって正念場を迎えている。

湯川村のコメ農家・高橋勝彦さんは、稲の苗を育てるための農業用ハウスが2月の大雪で倒壊した。
稲の苗を育て始めるのは4月の中旬。このままだとコメ作りがスタートできないと、コメ農家の仲間とともに自分たちで部品を買ってハウスを建てはじめたという。
コメ農家の高橋さんは「まさかこんなになるとは思っていないので、マイナスからのスタートになっちゃいますよね。みなさんにおいしいコメ作りたいのでこれからも応援お願いしたいと思います」と話す。

県内では2月、大雪の影響としては62年ぶりとなる「災害救助法」が19の市町村に適用。福島県によると、この大雪により1200を超える農業用ハウスが倒壊するなど大きな被害が発生した。

この状況を受け行われたのが...「露地プール育苗」と呼ばれる栽培方法の講習会。「露地育苗ですと、ハウスと違って通気性がいいから病気が少ないんですよ」
農業用のハウスを使わず、シートに水を貯めて苗を育てる方法で、台風や大雪の被害への対応だけでなく、作付面積の拡大に伴いハウスが不足した場合など全国的に活用されている方法だ。
参加者は「私も10日以上毎日雪かたしてもどうしようもなかったという実態なので、どうしようもないですが、こういう事業があるということで再度前に進めるのかなという安堵感はあります」と話す。

福島の農業にとってまさに正念場。大雪の影響を残さないよう、生産者たちにとって戦いの春がはじまる。