<福島第一原発>敷地内に初の“デブリ分析施設” 早ければ3月中にも建設開始

福島第一原子力発電所の敷地内に初めて建設される燃料デブリの分析施設が、早ければ2025年3月にも建設開始される。
福島第一原子力発電所の構内には、燃料デブリや放射能濃度が高い廃棄物の分析・研究を行う施設として「放射性物質分析・研究施設第2棟」の建設が計画されている。
この施設の建設について福島県は3月25日「検討の結果、適切に計画されていると評価した」として、東京電力に対して、安全協定に基づく建設の事前了解を通知した。
燃料デブリなど放射能濃度の高い物質を扱うことから、福島県は、周辺地域の安全確保などの要求事項を確実に実施するとともに、燃料デブリを含む放射性廃棄物の安全な処理・処分についての検討を進めて県外搬出の取組みを進めるよう東京電力に求めた。
東京電力は、県や双葉町、大熊町の事前了解を得たうえで、2025年3月にも施設の建設を開始し、2026年度内に完成・運用開始したいとしている。
「放射性物質分析・研究施設第2棟」では、3号機で計画される燃料デブリの大規模取出しや、2号機での本格的な取出しで得られた燃料デブリの分析などが行われる計画。
分析を行うための“グローブボックス”などの設備や、放射性廃棄物の一時的な貯留設備なども整備する方針となっている。
県からの事前了解の通知を受けた東京電力福島第一廃炉推進カンパニーの高松樹シニアバイスプレジデントは「施設の安全性を確認いただけたのは率直にありがたい。今後、安全第一に建設を進めていきたい」とした。
福島第一原発に残るデブリは約880t。
国と東京電力は2051年の廃炉完了を掲げている。