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新米が高いワケ...JAがコメ農家に前払いする「概算金」が上昇 農家は燃料・資材コストが高騰 

なぜコメが高止まりしているのか?
生産者にとっての収入...コメを出荷する際にJAが前払いする「概算金」の上昇が一つの要因だ。新米の店頭価格の基準となるこの「概算金」だが、JA全農福島によると、2024年産米60キロに対して、会津コシヒカリが2万200円、中通り・浜通りのコシヒカリが2万円と、30年ぶりの2万円以上となっている。

では、今後の価格はどうなるのか?
福島大学食農学類の小山良太教授によると、「今年コメは例年通りの収量があるので、今後流通していけば、若干価格が下がることはあると思うが、国の政策次第」との見方を示している。

概算金の上昇で、農家の経営安定が図られているように、生産現場も決して楽な状況ではないようだ。

<コメ農家の生産コストは上昇>
福島県湯川村の米農家・鈴木正之さん(71)。生産したコメの約1割を道の駅に、9割をJAに出荷している。トラクターで使う燃料代や肥料など資材のコストは、3年前と比べて3割ほど上昇。今回、JAから支払われる概算金が上がったことで一安心したが、コメの価格高騰には複雑な心境だ。
鈴木さんは「農家にとっては、ほっとしている状況なんですけれど、でも消費者の方から見れば、ずいぶん上がったなということで、申し訳なく思っているんですけど」と話す。

<美味しい新米を消費者に>
価格の高止まりが続けば、消費者のコメ離れを招きかねないと話す鈴木さん。今年は品質の良い新米が収穫できていて、できるだけ多くの人に味わってもらえることを願っている。
「私達農家も消費者の皆さんには美味しい米を食べてもらおうと思って日々努力をしておりますので、どうぞ美味しく食べてください」と鈴木さんは話した。

30年ぶりの2万円以上となった概算金、今後はどうあるべきなのか?
福島大学の小山教授は、「コメの価格は、ここ30年間デフレの象徴だった。これが適正価格とすると、価格を維持して給与を上げる適正なインフレにしていくことも重要ではないか」と話している。