【速報・独自】燃料デブリが事故後初めて原発の外へ 茨城県の研究施設に到着
福島第一原子力発電所2号機から取り出された燃料デブリは11月12日に、2011年の事故後初めて第一原発の敷地の外に運び出され、午後1時すぎに茨城県にある日本原子力研究開発機構の大洗研究所に到着した。
0.7グラムのデブリの構造を分析し、事故が起きたときの状況をつかんで、原子炉内部のより詳細なデブリの分布の推定などにつなげたい考え。
第一原発2号機での燃料デブリの試験的取り出しは11月7日に完了した。
試験的取り出しの開始をもって、第一原発の廃炉は最終段階の「第3期」に入った。当初は「事故後10年」の2021年中に試験的取り出しに着手する計画だったが、ロボットの制作遅れなどで見直しを迫られ、約3年遅れでの着手となった。
国と東京電力は、当初に描いた「2051年までの廃炉完了」の方針を変えていないが、第一原発に残る約880トンのデブリの処理や、1号機から3号機までの具体的な「廃炉の姿」はまだ見通せていない。
【これまでの経緯】
■2021年:当初の試験的取り出し着手予定
⇒ロボットの開発遅れ、経路への堆積物の詰まり発覚などで延期
■2024年8月22日:試験的取り出し着手を計画するも「現場での棒の順番ミス」が発覚し取りやめ
⇒東京電力が現場に立ち会っていなかったことなどが問題に。
管理体制の見直しを行う。
■2024年9月10日:試験的取り出し作業に着手
■2024年9月14日:ロボットが一度デブリをつかむ
■2024年9月17日:カメラ4台のうち2台の映像が見られなくなるトラブルで中断
⇒高い放射線が影響でカメラ内部に電気がたまり不具合を起こしたと推定。
カメラ交換を決断。
■2024年10月24日:カメラの交換作業を完了
■2024年10月28日:試験的取り出し再開
■2024年10月30日:デブリの把持・吊り上げに成功
■2024年11月2日:デブリを事故後初めて格納容器外へ取り出し成功
■2024年11月5日:放射線量が「取り出し」基準クリアを確認
■2024年11月7日:試験的取り出し作業完了
■2024年11月8日:デブリの水素濃度などが輸送の基準を満たすこと確認
■2024年11月12日:事故後初めて燃料デブリが原発敷地外へ 茨城県の研究施設に到着