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春高バレー福島県男子代表・郡山北工業 全員バレーが最大の武器 平均身長179.8センチを補う一体感

2025年1月5日から始まる春の高校バレー。福島県の男子代表は、郡山北工業高校。決勝で強豪・相馬を相手にストレートで勝利し、前回王者の力を見せつけた。「全員バレー」の強さに迫った。

<目標はベスト8>
全国大会まであと24日、キャプテンの久保木奏空選手は「結構いい感じの雰囲気」と語る。目標はベスト8、久保木選手は「もう一回引き締めなおして、"全員"で目標を達成できるように、"全員"で頑張りたい」と話した。
キャプテンが何度も口にした「全員」という言葉。この「全員バレー」の意識がチームを支える土台となっている。

<「全員」が勝利の法則>
スターティングメンバーの平均身長は179.8センチと、全国的には決して高くないなか、最大の武器は何なのか。ミドルブロッカーの富永望選手は「身長が小さい分、後ろと連携をとりながらやらなくてはいけないので、ブロックは動かすのではなくて、3人全員で合わせて飛ぶっていうのを意識してやっています」と話す。
相手アタッカーがスパイクを打つタイミングで、最高到達点に達しベストな状態でブロックする。息がぴたりと合った、ブロックが勝利を引き寄せた。
さらに、アタッカーとセッターが息を合わせて行う、コンビネーション攻撃も最大の武器となっている。
二階堂大樹監督は「個々ではなくて全員で戦う"全員バレー"というのが、今年のチームでは一番の魅力」と語る。

<引き継がれる全国への思い>
一枚岩で勝ち上がってきたチームを率いるのは、就任1年目の二階堂大樹監督。実は郡山北工業バレー部のOBで、キャプテンとして全国の舞台に立った経歴の持ち主だ。
二階堂監督は「当時ストレートで負けてしまった。その時に一番、福島県の全国レベルの低さというのを素直に感じて、自分が教える立場になりたいと思ったきっかけになった。ベスト8を達成して、今まで支えてくださった皆さんに恩返しを。いい報告ができるように頑張りたい」と話した。

<悔しい思いを糧に>
最後の春高に臨む14人の3年生には、忘れられない試合があった。
富永望選手は「1年生の時のFTV杯で、初戦で負けてしまったのがフラッシュバックしてしまって」と話し、遠藤陽斗選手が「3年生を一回戦で引退させてしまったのが、すごく悔しかった」と話す、2022年の春高バレー。
思い切ったプレーができず、福島県代表決定戦の1回戦で福島商業に敗れた。
キャプテンの久保木奏空選手は「自分が最後打ちきれなくて情けないと思い、辛かった。3年間今までやってきたことを信じて、仲間を信じて、"全員"で、総合力で勝ちに行きたいと」と語った。

悔しさを味わい築き上げたチームワーク。春高の晴れ舞台を"全員"で戦い抜く。郡山北工業高校は、同じく県大会を連覇した岡山の金光学園と対戦する。