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寝ても抜けないアルコール 記者が体験 判断力や注意力の低下 翌朝運転するなら飲酒しないのが一番  

「酒を飲み、自宅で休憩したあと車を運転した」調べに対しこう供述しているというJR郡山駅前で受験生を車ではね死亡事故を起こした池田容疑者。

飲酒をした後、体内にアルコールはどのくらいの時間残るのか?医師の立ち合いのもと検証をした。500ミリリットルの缶ビール三本分を記者が摂取。呼気から検出されるアルコールが6時間後にどの程度あるかを調べる。

「かなりアルコールが回ってきたような感じがします。全身があったまってきてふわふわしたような感じがします」と記者。飲酒後の呼気からは、1リットルあたり0.3mgのアルコールが検出された。これは酒気帯び運転の基準値の2倍に相当する。

約6時間が経過し、「飲んだ直後のふらつきも消えてかなり頭もすっきりしています。それでは早速測ってみたいと思います」と記者は話したが、呼気検査をすると...「0.15mg/hですね、残ってますね」
結果は呼気1リットルあたり0.15mg、6時間が経過しても数値は半減に留まった。

おおひら内科クリニックの大平俊一郎院長は「頭がすっきりしてると言ってたんですけど、それが結局酒気帯びの0.15mg/lという呼気濃度。頭がすっきりしてるからもう大丈夫だという風に思わないで」という。

個人差はあるが、20グラムのアルコール量、ビール500mlや日本酒1合、ウイスキーダブルなどを摂取すると、分解には約3時間半かかるという。また、睡眠中はアルコールの分解が遅くなるため、夜遅くまで飲んだ場合、翌日の運転は危険だ。

おおひら内科クリニックの大平院長は「判断力の低下だとか注意力の低下、あと情報処理能力の低下だとか、そういうものを認めますから、運転をするならお酒を飲まない、翌朝運転することがあったら飲まないというのが一番いいのかなと思います」と話した。

事故直前に少なくとも3ヵ所の信号を無視し、制限速度の時速40キロを超えるスピードで交差点に突っ込んだとみられる池田容疑者。「急いでいたから信号無視をした」などと供述している。警察は危険運転致死の疑いも視野に捜査を進めている。

警察が視野に入れて捜査を進めている危険運転致死。どんなケースが該当するかは曖昧で、適用のハードルの高さや裁判所の判断のばらつきが、問題視されてきた。
1月28日、鈴木法務大臣は、危険運転致死傷罪に関し、速度や体内アルコール濃度など、要件の明確化を2月の法制審議会に諮問すると発表した。
今後法律の改正に向け、議論が進められる。