西口を新設 JR須賀川駅の新駅舎が供用開始 東西自由通路で街の活性化に期待 課題は西口周辺の整備
多くの人が行き交うのは新しい駅舎になった福島県須賀川市のJR須賀川駅。駅の東西を結ぶ自由通路が完成し、町の活性化に期待がかかる。
<新駅舎に東西自由通路が完成>
1月25日に開通した東西自由連絡通路「あかりのみち」。
新しい駅舎の整備に合わせて開通したもので、チョークなどで絵を描くイベントも行われ、多くの市民が集まった。
西口に住む市民は「賑やかになって嬉しいなって。交通の便が良くなったので、どんどん利用したいなって思います」と話す。
<国の補助金を活用>
事業の総工費は約30億円で、国の補助金を活用し、市とJRが負担する。
須賀川市の大寺正晃市長は「全ての方が利用しやすい駅になったということが一番嬉しいです。須賀川全体が元気になっていただきたい」と期待を込める。
<駅舎に西口を新設>
駅の出入り口はこれまで東口の1ヵ所だだったが、新たに西口を設置。住宅街の西口と商店街がある東口が結ばれた。遠回りをして橋を渡る手間が省け、課題だった東口の渋滞の緩和と住民の利便性が向上する。
須賀川市都市計画課の永山美志係長は「通路が出来ることで、徒歩でも街の中に向かって行けることになりますので、より街中に人が流れてきやすくなるんじゃないかなと思います」と話す。
<東口の商店街は期待>
東口の目の前で理容店を営む辺見洋一さん(76)も期待をかけるひとり。理容ヘンミの辺見洋一さんは「こちら側(東口)と向こう側(西口)繋がるというのが素晴らしい事だと思いますね。交通量も減ってますし、歩く人はほとんどいないですね今。皆、車ですからね」と話す。
<街の賑わい創出へ>
110年以上続く老舗。周囲に60軒ほどあった店はこの30年で3分の1にまで減った。行き来が増えることで来店客が増え、町全体のにぎわい創出を願っている。辺見さんは「駅の裏の(住宅の)件数が随分増えていますからね。これは活気、期待できると思います。人通りがよくなれば、それだけ可能性が出てくる訳ですね。そういう可能性かけてに期待します」と話した。
JR須賀川駅周辺を見ると、住宅が増えているという西口、そして、東口から少し進むと中心部の商店街がある。この行き来が便利になる。これまでは、JRに乗れるのが東口からだけだったので、西口からは遠回りが必要で、かつ、東口は交通混雑が発生していた。この解消も期待される。
<今後の課題>
東西通路は明るい日差しが降り注ぎ便利になった。今後は西口にアクセスするための周辺整備が必要。市では2028年度までに西口の広場とロータリーを造って利便性を高める計画だ。
<人を呼び込む工夫>
市民からは若い世代が集まる飲食店が欲しいという意見が多かったという。そこで、市は2026年度までに新規事業者を支援するチャレンジショップを試験的に設け、人の流れを生み出す仕掛けづくりを行う。
将来的には、商業施設の誘致を視野に入れ、開発が進んでいなかった西口周辺の整備で町全体の活性化をめざす。一方の東口でも古い駅舎を活用し、コミュニティスペースなどに改修される計画で、須賀川の玄関口はより魅力的に変貌しそうだ。