タンク解体着手は延期 風が強くクレーン使えず<福島第一原発>
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東京電力は2月13日、福島第一原子力発電所で、処理水放出によりカラになった溶接型タンクの解体作業に着手する計画だったが、風の影響で延期することを決定した。
タンク上部の「フタ」にあたる部品をクレーンで取り外す作業から開始することを計画していたが、風が強く、安全面を考慮して作業の延期を決定したという。
気象条件が整い次第、14日以降の作業開始を目指す。
福島第一原発で2023年8月に始まった処理水の海洋放出をめぐっては、これまでに通算10回、タンク78基分ほどが薄められて海に放出されている。
この海洋放出の背景には、汚染水や処理水をためた1000基あまりのタンクが敷地を圧迫し、燃料デブリや使用済み燃料の取り出しなど、今後進められる廃炉の重要工程に向けたスペースが足りないという課題があった。
2025年度中にタンク12基を解体し、また、タンク内部に残る水を別のタンクに移送して追加で9基を解体する方針で、切断されたタンクはコンテナに収納し別の場所に保管する。
解体後のスペースは、3号機の燃料デブリの取り出しのための施設を建設する計画。
国と東京電力は、2051年までに第一原発の廃炉を完了するとしている。