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3.11 東日本大震災・原発事故から14年を迎えた福島県 それぞれの15年目へ

震災から14年と1日。福島県でもそれぞれの3月11日を経て15年目へ歩みだしている。

■霊園で祈り
3月11日、福島県浪江町・大平山霊園にその人の姿があった。
「14年間、長かったような、短かったような...」
舛倉美津枝さん。津波で姉を亡くし、母親は行方不明のままだ。震災から約1ヵ月後、変わり果てた町で、ラジカセをもって姉が大好きだった歌を流した。「聞いてくれてるかな...」
あの日から、14年が経った。舛倉さんは「14年経つと思い出したくないのも本音だが、一生生きている限りは忘れることができない日々。3月11日の日にたくさんの方が亡くなって、私はその分を生きなくてはならないと前を向いていきたい」そう話した。

■行方不明者の一斉捜索
海岸で行われた警察による一斉捜索。その姿を見つめる男性がいた。阿部謙信さん(35)。「今(父が)元気だったら何してたかなと。そして、こうして家族で元気に生活できてるのでその報告と」と話す。
震災当時大熊町で働いていた阿部さんの父親・祐之さん。現在も行方は分かっていまない。阿部さんは「新しい命もできているので...うん。忘れられない日ですよねやっぱり。毎年こういう場所に連れてきてあげて、少しでも話が分かるようになったら話してあげて、ちゃんと伝えられるように自分も覚えていられるようにしたいと思いますね」と話した。

■各地で黙とう
東日本大震災追悼復興祈念式で遺族代表の大竹英子さんは「あの大地震と原発事故が我々の平穏な生活を襲ったのは、結婚して20年目の節目の年でした。私は恩返しの身近な一歩として、私が頂いた勇気や心の栄養、そして震災の経験について、子供たちに伝えていけたらと思っています」と述べた。
(※中国・広東省出身。結婚後に帰化。震災後に夫と義理の姉をなくす。避難生活中に全国から届いた手紙などをきっかけに大熊町でこどもちと日本語を学ぶ)

■石破首相が参列
福島市で開かれた式典。海外の駐日大使や政府関係者など約360人が参列した。
石破茂首相は「福島につきましては、未だ厳しい地域の実態、乗り越えなければならない課題がございます。今後5年間における福島国際研究機構の本格稼働、特定帰還居住地域における除染の進展など、復興事業に支障が生ずることのないよう、必要の財源について確実に確保したい」と述べた。

■遺留品を焚き上げ供養
津波で約120人が犠牲となったいわき市薄磯地区。修徳院では、今年初めて地区で見つかった遺留品を焚き上げた。
薄磯地区の鈴木幸長区長は「本当のひとつの区切りになっていたと思います。これから地域を震災前のように作っていかなくちゃならないっていうような努力をしていかなくちゃならない、みんなでね、と思っています。(亡くなった方たちも)見てると思いますよ、上から。遠いところから見てると思います」と話した。

■キャンドルと花火で追悼
東日本大震災・原子力災害伝承館。双葉町の施設に並べられた1300本以上のキャンドル。ひとつ一つに、復興への願いが込められている。
子どもたちは「幸せいっぱいと書きました」「凄い大変なことが私が生まれる前に起きたんだなって思っていて、それをまだ見ていないですけど、伝えられるようにいっぱい学んだりしていきたい」と話した。

15年目の福島へ再び一歩を踏み出す。