鎮魂と復興への思いを込めて 福島・相馬市で「木の葉の舟流し」 阪神・淡路大震災の被災地との絆
3月11日、福島県相馬市の海に流された「木の葉の舟」。大震災を経験した福島と兵庫をつなぎ、鎮魂や願いなどさまざまな思いが込められた。
11日相馬市のみなと保育園で行われた兵庫県のプロジェクトチームとの交流会。
30年前に発生した阪神・淡路大震災の被災地と福島県内を結ぶ取り組みで、その主役が「木の葉」だ。
2月に兵庫から届けられていた木の葉には、子どもたちが将来の夢や願い事を書き込んでいた。園児は「警察官になってみんなを守りたい。(町の人が)困っているときに助けたいです」「(なんて書いたんですか?)みんなで幸せにできますように」などと話す。
松川浦の目の前にあり、津波が押し寄せた保育園。
このプロジェクトを通じて、震災後に生まれた子どもたちに震災の経験と教訓を伝えるきっかけにしている。園児は「津波が来た時は高い所に避難する。先生と一緒に、話を聞いて、一緒にいく」と話す。
みなと保育園の和田信寿園長は「今いる子ども全然、震災経験してませんし、何か機会ある度にこういう風なお話しとかないと、皆忘れてしまうので(伝えている)」という。
木の葉は「木の葉の舟」として海へ。震災の犠牲者の遺族も参加した。
結婚の報告をした南相馬市の田中春菜さんは「一番過ごす時間が長かったおばあちゃんが急に流されちゃったので、もう毎日、(おばあちゃんへの)感謝を忘れないことですね」と話す。
兵庫の子どもたちが書いたものと合わせ、集まった舟は約1万6千。福島や兵庫など震災で亡くなった人たちに祈りを捧げる。
「じろはったん」プロジェクトの福本陽子代表は「1年に1回ぐらいは、そういうこと(震災・復興)を考える時間を持てたら良いのではないかと思いました。風化させないように繋いで繋いでいこうという想い」と話した。
鎮魂、そして未来への願いをつなぐ3月11日だ。