処理水賠償570億円に 2025年度も7回の放出を計画<福島第一原発>

福島第一原子力発電所で2023年8月から開始された処理水の海洋放出をめぐり、東京電力は3月26日までに約600件・570億円の賠償支払いを完了したと公表した。
1か月前と比べて約60件・20億円増加していて、ホタテやナマコを中心に、中国が日本産海産物の禁輸措置をとっていることによる取引中止の損害が多くを占める。
福島第一原発では2025年3月30日に通算11回目、2024年度最後となる処理水の海洋放出が完了し、これまでに合わせて約8万6000t(タンク約86基分)の処理水が薄められて海に放出された。
処理水の放出をめぐっては、敷地を圧迫する1000基あまりのタンクを減らし、廃炉のためのスペースを開けることが大きな目的のひとつ。
2025月2月からは、放出によってカラになった溶接型タンクの解体も始まっていて、まずは12基を2025年度中に解体する見込みとなっている。空いたスペースには燃料デブリの取り出しに関する施設を建設する計画。東京電力は廃炉の進捗に伴い、必要な施設を建設するためのスペースを作る計画を立てながらタンクの解体を実施していきたいとしている。
2025年度も、7回に分けて約5万4600t(タンク約55基分)を放出する計画で、これまでに海洋モニタリングで異常などが確認されていないことなどから、放出する処理水に含まれるトリチウムの濃度を2024年度よりも高くする方針。
東京電力は処理水放出に伴う海域への影響の不安の解消につなげようと、2022年9月から"通常の海水"と"海水で希釈した処理水"、さらに放出が始まってから"実際に放出された処理水"を使って、ヒラメやアワビ、海藻などの飼育試験を行ってきたが「生体内でトリチウムは濃縮されない」などの結論が得られたとして、2025年3月31日で試験を終了した。
国と東京電力が掲げる廃炉の完了は2051年。
タンク内のトリチウムがゼロになるのも2051年と計画されている。