《トランプ関税》酒蔵や金属加工工場は影響を危惧 福島県への影響は「間接的に出てくる可能性も」
アメリカのトランプ大統領は、日本を含む貿易相手国に相互関税を課すことを発表した。いったいどんな影響が出てしまうのか?福島県内の事業者からも不安の声が聞かれている。
■日本は24%
ホワイトハウスでの演説で、繰り返し日本に触れ、自動車分野での規制やコメに高い関税が課されていると批判したアメリカのトランプ大統領。日本を含む貿易相手国に同水準の関税を課す「相互関税」の大統領令に署名した。
中国は34%、ベトナムは46%などとなっていて、日本にも24%が課される。
またこの措置とは別に、自動車については4月3日午後1時すぎに25%の追加関税の措置が発動した。
■そもそも関税とは?
関税とは、輸入品にかける税金のこと。もとの値段が同じでも、「関税」が上乗せされれば安い自国の製品に消費者の目が行くことになり、国の産業を守ることにつながる。
■受注ストップを危惧する工場
福島県郡山市の石山精機では、創業から50年あまり、金属を加工して機械の部品を製造している。アメリカへの直接の輸出はないが、取引をしている会社の中には中国やベトナムに工場を持つところもあり、機械製品の輸出が滞れば、部品の受注もストップしかねない。
社長の石山武司さんは「うちで加工している部品が、お客さんのところに行って大きいものになり、それが大手に行って自動車に組み込まれて。それが中国に行ったり、中国からアメリカに行ったりというところで。それが売れなければ、ユニットも売れなく、我々のところの1個1個の部品も作らなくていいですよ、在庫がまだありますよというような所で受注につながっていかない」と危惧している。
リーマンショックでは受注が6割減少、新型コロナでも最大で3割減少するなど世界の動きに大きな打撃を受けてきた石山精機でも、「上がりかけている景気に対して、ブレーキをかけてしまうのではないか」と影響を懸念している。
■アメリカが主な輸出先 福島の「日本酒」
一方、福島県内の酒造関係者からは「蔵から出荷する金額は変わらないものの、現地での販売価格は大幅に値上げするとみられ、輸出量が縮小する動きが懸念される」「将来的に輸出を増やしていきたいと考えていた中で、相互関税によって市場に入りにくくなる」などといった声が聞かれた。
「相互関税」について石破総理は、アメリカ側に適用除外を求め、国内対策に万全を期す考えを示している。
■県内経済への影響は?
日銀福島支店の中嶋基晴支店長は、関税引き上げの影響について「直接アメリカに輸出していなくても、間接的に影響が出てくる可能性もあるため、今後も情報収集を進めていく」と懸念を示している。
民間の信用調査会社・東京商工リサーチによると、2024年度の福島県内企業の倒産件数は14年ぶりに100件を超えた。(※倒産件数121件・149億6100万円)
物価高騰や人件費などのコスト上昇が要因の一つとみられ、関税引き上げが経済に大きな打撃を与えると拍車をかける可能性もある。
イラスト:PIXTA