春の褒章 藍綬褒章に福島市の保護司・佐藤喜市郎さん 20年以上更生を支援 ほか福島県からは7人が受章
春の褒章の受章者が4月28日に発表され、福島県内からは8人が受章する。このうち、藍綬褒章を受章する、福島市の保護司・佐藤喜市郎さんにお話を聞いた。
■黄綬褒章は2人が受章
長年にわたり専門業務に励んだ人に贈られる『黄綬褒章』は、どちらも郵便集配受託者で塙町の鈴木セツ子さん(74)、古殿町の水野征夫さん(82)の2人が受章する。
■藍綬褒章は6人
また、公共の利益に貢献した人などに贈られる『藍綬褒章』を受章するのは、会津若松市で消防団の分団長を務める井上康弘さん(66)や福島市の保護司・佐藤喜市郎さん(76)など合わせて6人。
【藍綬褒章】
会津若松市 会津若松市消防団分団長・井上康弘さん(66)
南会津町 南会津町消防団副団長・大山純さん(59)
矢祭町 矢祭町消防団団長・金沢利広さん(59)
福島市 保護司・佐藤喜市郎さん(76)
福島市 保護司・羽田美子さん(74)
棚倉町 棚倉町消防団副団長・緑川勝人さん(52)
■更生を支援 保護司・佐藤喜市郎さん
今回の褒章で「藍綬褒章」を受章した福島市の保護司・佐藤喜市郎さん(76)。
20年以上、非行少年や罪を犯した人の更生を支援し続けてきた功績が評価された。
「対象者とのコミュニケーションを図りながら、信頼を持たなければならない。信頼があれば、私の言う事も聞いてくれる」と佐藤さんは語る。
佐藤さんがこれまでに担当した対象者は106人。住居探しの相談にのったり、時には相手の趣味の話などにも耳を傾けたりしながら信頼関係を築いてきた。
佐藤さんは対象者と社会とのつながりを作り再犯を防ぐことが、保護司の最も大切な役割だと話す。
■保護司のなり手不足 育成にも注力
地域になくてはならない保護司だが、近年その数は減少。福島県内では現在916人で、定員数の1010人を満たしておらず、なり手不足が深刻な課題となっている。佐藤さんは、今後後進の育成にも力を入れていきたいと考えている。
「地域で、更生というものを知ってもらいたい。被害を被る人を少なくしたいというのが私の思い。こういった方のアドバイスはしていきたい」と佐藤さんは話した。
更生保護に尽力した20年。その知識と経験が、これからも地域に必要とされている。
伝達式は5月中旬から順次行われ、天皇陛下に拝謁することになっている。