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地下の高線量源回収 ゼオライト土のう3月回収着手へ<福島第一原発>

福島第一原子力発電所で、大量に残る高線量の「劣化土のう」を回収する作業について、東京電力は2025年3月中旬~下旬に着手する計画を示した。

回収作業が始まるのは、地下水などが燃料デブリに触れて発生した「汚染水」を浄化して「処理水」にする過程での通り道になっている建物で、プロセス主建屋と高温焼却炉建屋の2つ。事故当時から、高線量の「汚染水」を浄化するため、放射性物質を吸着するゼオライトの土のうと、油分などを吸着する活性炭の土のうが大量に投入された。
ゼオライト土のうの表面線量は1時間あたり4400ミリシーベルトと高く、時間の経過によって劣化して破れるなどして、大部分が地下に流れ込み「汚染水」に浸かってしまっている。

まずは散らばっている土のうをロボットで集め、その後、地上階に移して脱水などをしたうえで一時保管施設に運び入れる。
作業の終了は2026年度から2027年度を見込んでいる。

集積作業は当初、2025年1月から2月の着手を計画していたが、現場が非常に高線量であることから、十分な安全対策をとる必要があるとして後ろ倒しした。
全体の工程に影響はないとしている。

建物の地下に残っている水も、それを吸着した土のうも、非常に線量が高いことから、東京電力は「放射性物質を含むダストの舞い上がりなどに注意して慎重に作業を進める」としている。