これが「燃料デブリ」 調査・研究進めるJAEAが公開 デブリの内部に迫る分析で廃炉への道筋を
燃料デブリの試験的取り出しから3ヵ月あまり、放射線を遮るガラス越しにその姿が公開された。
透明なケースの中に入っているのが、福島第一原発から取り出されたデブリ。かなり細かく砕かれていることが分かる。厚さ約50センチの放射線を遮るガラス越しに、公開された福島第一原発の燃料デブリ。
2024年11月に取り出された約0.7グラムのデブリは、表面の分析が行われたあと砕かれて、茨城県や兵庫県、5つの研究施設に分配された。これまでに核燃料の主な成分であるウランを含むことが分かっていて、半年から1年をかけてデブリの「内部」に迫る詳しい分析が行われる。
JAEA=日本原子力研究開発機構・荻野英樹技術主席は「ウランの含有率(割合)とか、ウランの同位体比(ウランの種類の比率)なんかを測定しようと思っております。どういう風な化合物ができているかってことを提供することで、取り出し工具の検討にも役立つという風に考えております」と語った。
福島第一原発に残るデブリは推計880トン。廃炉への道筋が明確に示されることが望まれている。