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震災と原発事故から14年 被災地は鎮魂の祈り 行方不明者196人 約2万5千人が避難生活【福島発】

東日本大震災から3月11日で14年。福島県内も朝から鎮魂の祈りに包まれている。

14年前、10メートルを超える津波に襲われた福島県浪江町の請戸地区では、あの日への思いを抱えて漁船が海へと向かった。漁師の青田憲男さんは「やっぱりこの日来ると、やっぱり思い出してね。悲しむ人もいるけど、悲しみを笑顔にできるようにね。俺も頑張んなくちゃいけねえなと思って」と話す。

福島県警察本部によると、東日本大震災による県内の死者は1614人、いまだ196人の行方が分かっていない。また、福島県によると、避難中に体調が悪化するなどして亡くなる「震災関連死」は2348人に上っている。

福島県内では、福島第一原子力発電所の事故の影響が続いている。
事故により立ち入りが制限されている「帰還困難区域」は、県全体の約2.2%を占め、2万4644人が避難を続けている。

福島第一原発では2024年、廃炉の最難関とされる燃料デブリの取り出しに初めて成功し、廃炉は最終段階の「第3期」へと入った。しかし、取り出された量は0.7グラムにとどまり、1号機から3号機に残る推計880トンには遠く及ばない。
国と東京電力は2051年までの廃炉完了を掲げているが、その絵姿は明確に示されないままだ。