ニュース

コスプレで新たな魅力発信 旅館が映えスポットに 始まった「プレDC」にも期待 福島・いわき湯本温泉

福島県とJR東日本が共同で開催する国内最大規模の観光キャンペーン、通称「DC」はメインの2026年を前に「プレ」が4月からはじまった。観光客の獲得を目指し「新しい魅力」を発信しようとするいわき市の湯本温泉を取材した。

■コスプレで新しい魅力を発信へ
湯本と言えば温泉!旅館だが…「こんにちは、こちらの旅館で人気のプランがあると聞いたんですけど」「はい。コスプレイヤー応援プランです」「コスプレですか?」「コスプレ撮影でございます」
記者は、まずコスプレをお勧めされた。旅館こいとの「コスプレイヤー応援プラン」は和室が7300円から1万5000円、全身鏡やアイロンも完備だ!
「全集中・水の呼吸・壱ノ型・水面斬り。炭治郎になりました」「素晴らしいじゃないですか」

■コスプレの映えスポット
いや、温泉じゃないの?と思った皆さん、もちろん温泉もなのだが、古い部屋の雰囲気はまさに「映えスポット」だ。
さらに1300年以上の歴史があるという神社に向かってみると…。コスプレイヤー発見!コスプレイヤーのぬこみみさんは「(プランは何回ぐらい利用されているんですか?)50回以上は来ていると思います。ロケーションが四季折々、沢山ありますのと、やはり温泉にコスプレ終わった後に入れるというのが、一番魅力かなって」と話す。

旅館こいと・宗像達鷹さんは「今、旅行の形というか、皆さんの遊び方がどんどん多様になっている時代なので、新たな顧客層の開拓(をしたい)」と話す。目指すのは「新たな顧客層の開拓」だ。

■再開発進めるJR湯本駅周辺
いわき湯本温泉では東日本大震災前に年間約60万人だった観光客が3分の1ほどに減少し、30軒以上あった旅館の数も半分ほどに減った。
新たな風を巻き込もうといわき市では、2031年度の運用開始を目指し、飲食店や公共施設、観光案内所などが入る複合施設を計画するなどJR湯本駅前周辺の再開発を進めている。

いわき市創生推進課の松本大介さんは「駅前、どんどんどんどん空き店舗だったり、空き地が増えて来てますので、街の方々だったり、学生だったり、観光客が楽しんで過ごせるような場所、そういったところを作っていきたいと思ってます」と話す。

■フラ女将もDCに期待
そして湯本に欠かせないこの人も!フラ女将の若松久美子さん。温泉宿の女将たちが着物でフラを踊る「フラ女将」は、プレDC期間中にフラダンスステージを企画するなど観光客の誘致に気合十分だ。
いわき湯本温泉湯の華会・若松久美子副会長は「フラで街を元気にしようということで、フラ女将として、名前を付けて街のPRに頑張っております。震災後から沈んだ街を頑張って復興に向けているところを見てもらいたいというのも一つの考えではおります」と話す。

湯本がつくってきた魅力も、これからの新たな魅力も思いっきり伝えたい!DCが起爆剤になることを期待している。

湯本といえば温泉・ハワイアンズのイメージだったが、挑戦的な取り組みもしている。コスプレを楽しんだ「旅館こいと」では、チェックインのときに「ふくしまプレDCで来ました」と言えば、期間限定で福島のおいしい日本酒を1杯プレゼントしている。
まだプレDCで、メインは来年だが、すでに期待が高まっている。10年前に実施されたDCでは、県内への経済効果が約295億円という試算がある。
6月までのプレDCでは、県内で280もの特別企画が用意されている。