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34歳男を危険運転致死傷罪で起訴 郡山駅前の19歳受験生死亡事故 飲酒運転で赤信号を殊更に無視 福島

JR郡山駅前で受験生が飲酒運転の車にはねられ死亡した事件。検察は2月12日車を運転していた男を危険運転致死傷の罪で起訴した。

1月22日、福島県郡山市のJR郡山駅前で、大阪府から大学受験で訪れていた19歳の横見咲空さんが軽自動車にはねられ死亡した。軽自動車を運転していたのが、郡山市の会社員・池田怜平被告(34)。12日危険運転致死傷などの罪で起訴された。

起訴状によると、池田被告は、酒気帯びの状態で車を運転して、時速約70キロで交差点に進入し、横見さんをはねて死亡させ、自転車に乗っていた女性にケガをさせたとされている。

福島地方検察庁は捜査の結果、池田被告が事故前に赤信号を殊更に無視したとして、送検時の過失運転致死の罪を「危険運転致死傷罪」に切り替え、起訴した。
今後、裁判員裁判で審理される。

<危険運転致死罪の適用要件>
今回の事件で適用された「危険運転致死傷」罪。
適用される要件は6つ、「飲酒や薬物の影響で正常な運転が困難な場合」や「制御不能なスピードで運転する行為」などがある。
2月12日起訴された池田被告は「急いでいた」などと供述していて、信号無視の故意性があったとされている。

<要件見直しを諮問>
一方、現在の危険運転致死傷罪には、アルコール濃度や運転速度に数値基準が設けられていないことから、全国各地で事故の遺族などが法改正の声をあげている。
鈴木法務大臣は10日、要件見直しについて法制審議会に諮問。今後、法改正に向けた議論では、具体的な数値基準をどう設けるかなどが焦点になるとみられている。

<専門家の見解>
昭和大学医学部・城祐一郎教授は「色んな主観的要件は、法律をどう変えても残るんですね。そういうことになると、今の作っている危険運転をどう変えたらどう変えたら良いだろうと私も考えるんですけど、ストレートに良い考えは出てこないですね」と話す。元最高検察庁検事の城教授は、今後の法改正では、アルコール濃度などに具体的な数値基準を設けた上で、明確な基準が設けられない「故意性」などの曖昧な部分は、引き続き検察・警察が捜査を尽くし、法の解釈の中で適用していく必要があるとしている。