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敷地内に約4500基...高線量の"泥"減らせるか試運転開始<福島第一原発>

東京電力は福島第一原子力発電所で、地下水などがデブリに触れたことによって発生する"汚染水"から、大部分の放射性物質を取り除いて"処理水"にする過程で発生する泥状の高線量廃棄物を減らすために処理設備を更新し、2月18日から実際に"汚染水"を使った試運転に入った。

設備の更新が行われたのは、"汚染水"がALPSと呼ばれる処理設備を通る前に「余分な物質を取り除くための前処理過程」の一部。ここで取り除かれた物質は放射線量が高い"スラリー"と呼ばれる泥状の廃棄物で、容器に入れられて保管されているが、2025年1月末時点で4440基の容器が発生し、保管容量の97%に達しているうえに、保管場所が敷地を圧迫するという課題も発生。

このスラリーが増える一つの要因に、処理過程で余分な物質を取り除くためのフィルターが目詰まりを起こすと、それを洗い流すための水も合わせて廃棄物になってしまうという現状があった。

新しい設備は、処理の過程で目詰まりを起こしにくい構造になっていて、廃棄物に含まれてしまっていた水の量を減らすことができるという。
どのくらいの減容化に貢献できるかは詳細にわかっていないが、高線量の廃棄物を増やさないための一つの手段になることが期待できるということで、半年程度の試運転を続ける計画。