福島ー台湾チャーター便就航から1年 搭乗率は80~90% リピーターを魅了する絶景とアクセスの良さ
台湾の航空会社・タイガーエアが福島空港にチャーター便を就航して、1月16日で1年となる。福島市では、台湾の旅行会社などを招いて記念の催しが行われた。福島の観光のいま、そしてこれからを台湾便を通して見ていく。
<台湾便利用者はどこへ観光に?>
毎週火曜と金曜に運航している福島-台湾便。1月14日の搭乗率は97%と絶好調だ。福島空港に降り立ったみなさんは、どこへ向かうのか?話を聞いた。
高齢の夫婦は「蔵王ロープウェイを見に行く(山形県)」という。実は福島空港は隣県の宮城や山形などへのアクセスも良く、台湾の皆さんも南東北ツアーで来ることもあるのだとか。
もちろん福島をめがけたインバウンドも人気だ。空港から出発したバスを追いかけて向かった先は...江戸時代の街並みが残る冬の人気観光スポット・大内宿(福島県下郷町)。台湾では平地でほとんど雪が降らないということで、冬の福島の風景に歓声とシャッター音が響いていた。
<穴場の観光地目指すリピーター>
福島県によると、2024年1月から9月までに県内に宿泊した外国人の数はのべ21万230人。前年1年間の数をすでに3万人あまり上回って過去最多だという。
台湾からの旅行者が約半数を占めていて、鶴ヶ城(福島県会津若松市)や大内宿、只見線など、東京や京都・北海道などをすでに旅行した「日本へのリピーター」が、景色の美しい穴場の観光地を目指して訪れるケースが目立つという。
福島県は、国際チャーター便などの利用を後押しする取り組みなどを強化し、さらなるインバウンドの獲得を目指す。
<継続的な運行に必要な事>
台湾便は、2024年4月の台湾での地震のあとに落ち込んだ時期を除いては、搭乗率は80%から90%ほどと高くなっている。
一方、タイガーエアが継続的な運航のために求めているのは「一年を通じて85%」ということで安定的な利用が必要になる。
国が公表した2024年の訪日外国人の数は約3700万人で過去最多、消費額も初めて8兆円を突破するなど経済にも大きな影響を及ぼしている。
台湾便は現時点で3月までの予定だが、福島県は春以降も期待できるとしていてさらなる観光客の呼び込みが望まれる。(2025年1月16日)