原因不明 震度1以上が1週間で80回超 福島・檜枝岐村で頻発する地震 村民の防災意識高まる
福島県檜枝岐村の周辺で、活発な地震活動が観測されてから1週間が経った。この期間には、最大で震度5弱を観測し震度1以上の揺れは80回を超えた。
冬の観光シーズンを迎えた宿泊業に影響が広がる一方、村民には防災への意識が高まっていた。
<村民からは心配する声>
2025年1月21日から地震が相次ぐ檜枝岐村。村民は「またいつ来るか分からない。心配で夜眠れない時もあった」「こんなに連続して一日に何回もあるのは無かった。燧ケ岳の噴火や大きい地震が来るのではと心配」と話す。
気象庁によると、1月21日から28日午後2時までに村で観測された震度1以上の揺れは81回。このうち、最大震度の5弱を観測した23日は43回に上った。
その後は減少傾向となっているが、村はいつ起きるか分からない地震への備えを進めている。
<広がる防災意識>
村は、倉庫に毛布や簡易テントなどを備蓄。生活必需品や食料は、協定を結んでいるJAから提供を受けられることになっている。
檜枝岐村役場・総務課の星蔵之介さんは「地震が起きてからの対応では遅いと思う。起きる前から被害を想定して、備えを充実させていくことが大事」と話す。
防災への意識は住民にも広がっていて、夫と2人暮らしの星久子さんは震度5弱の地震を受け、飲料やタオルなどをリュックに詰めた防災グッズを用意したという。
「災害時にはこの家にいられなくなるという自覚はあって、その時の準備をした。またこういうことがないことを望んでいる」と星さんはいう。
<一時的に休業した民宿も再開へ>
一連の地震によるケガ人などは確認されていないが、影響を受けたのが宿泊業だった。
民宿「松源」は、宿泊客の安全を第一に考えツアー会社と協議し、2組14人に予約をキャンセルしてもらい一時的に休業していた。地震が落ち着き始めたことから、2月1日から宿泊を再開する。
松源の星賢二さんは「地震も落ち着いてきて、来ていただいたお客様には通常通り笑顔で迎えていきたい」と話す。活発な地震活動の観測から1週間、備えを進めながら日常が戻りつつある。
気象庁によると、今回の地震について「原因は不明」という。一方、震度5弱を観測した23日から1週間程度は同じくらいの地震に注意するよう呼びかけている。
また、屋根からの落雪や雪崩などにも引き続き注意が必要となる。日頃からの備えを確認してほしい。