道路陥没はどこででも起きる!? 埼玉・八潮市の事故を受け福島県でも緊急点検 継続的な点検・交換が重要
埼玉県の道路陥没事故は、地下に埋設された下水道管の老朽化が原因とみられている。福島県内でも危険性を把握するための緊急点検が行われた。一方、過去に道路陥没が起きた福島県いわき市では継続的な点検・交換が進められていた。
<道路のゆがみ・変形を点検>
1月28日に埼玉県八潮市で起きた道路の大規模な陥没事故。道路の下を通る下水道管が、老朽化したことで発生したと見られている。発生から1週間以上が経ち、穴の直径は40メートルほどに広がっていて、転落したトラックの運転手の救助活動が続けられている。(2月5日時点)
この事故を受け、2月4日に福島県郡山市の県道で行われた緊急点検。下水処理施設に近く、比較的太い下水管が埋設されていることから実施され、福島県の職員が道路にゆがみや変形などがないかを確認した。
<耐用年数超える下水管も>
福島県内には、福島市・いわき市・南相馬市の合わせて3カ所に標準的な耐用年数の50年を超える下水管が埋設されているが、それぞれの市によると異常は確認されていないという。
郡山市民からは「日々の点検があれば、みんな安心して道路を通れる」との声が聞かれた。福島県土木部下水道課の鈴木国俊副課長は「日頃からきちんと下水道管の状況を点検し、異常があれば速やかに対応していく。事故が起きないように取り組んでまいります」と話した。
福島県と国は、道路に異変を感じた際は、道路緊急ダイヤル(#9910)や公式LINEで通報するよう呼びかけている。
<道路陥没は福島県内でも>
2021年4月には福島県いわき市小名浜で水道管が破損し、2メートル程の深さまで道路が陥没。約20世帯で断水が発生した。
当時使用していた直径40センチの水道管は、80年以上使用していたもので老朽化によって水が漏れたことが原因だった。
いわき市水道局・南部工事事務所の齋藤健一所長は「破損したことにより、水道水が漏水。漏水の水圧によって周りの道路の土砂が巻き上げられ、道路が陥没した」と説明する。
<継続的に点検・交換>
同様の事故を防ぐため、いわき市では毎年全体の1%にあたる2.3キロの水道管を新しいものに交換することを計画している。また、主要な水道管は2年に1度の点検を行っている。
いわき市水道局・南部工事事務所の齋藤所長は「常に点検等を行いながらできるだけ早めに見つけて、継続的に古い箇所は布設替えができていくのが一番理想だと思っている」と話した。
私たちの目に見えない場所で進む、インフラ設備の老朽化。万が一の事故に市民が巻き込まれないよう、対策が求められている。今回の陥没事故を受け、国は同様の規模の下水道管を対象に緊急点検を指示しているが、福島県内には対象となる下水道管はないとのこと。