摺上川ダムで全国初!雪解け水を活用して発電量増大へ<福島県福島市>
福島県福島市にある「摺上川ダム(すりかみがわダム)」は、自然調節ダムとして全国で初めてとなるハイブリッドダムの施行を2025年3月に開始する。
摺上川ダムは、総貯水容量1億5300万トンを有する多目的ダムで、洪水調節や水道用水供給、工業用水確保、水力発電などの役割を担っている。
摺上川ダム管理所によると、ダムには毎年3月から5月ごろにかけて多くの雪解け水が流れ込むが、一定の高さに水の排出口がついている「自然調節ダム」のため、これまで未活用のまま自然に流されていた。
この排出口を計画的に閉め、水をためることで発電量を増やす"ハイブリッドダム"の施行を行うという。
発電力は、水が流れ落ちる「落差」が大きいほど大きくなるため、排出口を閉めて水をため、水位を上げることで、落差から得られるエネルギーを大きくしたい考え。
また、摺上川ダムでは同じく3月に「最大放流量の試験放出」も実施する計画。
近年の大雨災害の激甚化に対し、急激にダムの水位が上がった場合でも設備が正常に作動するかどうか、放流水が安全に河川に流れるかを確認するため、毎秒100トンの試験放流を計画的に実施するという。
これはダムの操作ルールで規定されている最大放流量で、2006年以来19年ぶりの実施となる。
摺上川ダム管理所は「ハイブリッドダムの施行や試験放流を通して、エネルギー供給への貢献度や災害への対応力などを強めていきたい」としている。