復旧直後に再び雪崩...温泉宿に約50人が孤立 県道が通行止めに 二次災害おそれで10日の作業中断 福島
2月10日、福島県福島市土湯温泉町の県道で雪崩が発生し、温泉宿の宿泊客などが孤立した。除雪作業が進められた結果、孤立は解消に向かい通行止めは一時解除されたが、直後に再び雪崩が発生。10日午後6時時点で、約50人が孤立していて、道路復旧の見通しは立たない状況だ。
<10日午前4時 雪崩が発生>
10日朝も雪が降り積もっていた福島市土湯温泉町。最強寒波により、近くでは前年の5倍近い161センチの積雪が観測されていた。
そうした中、10日午前4時頃に確認された雪崩により、県道本宮土湯温泉線の約5.6キロの区間が全面通行止めとなった。
通行止めの解除を待つ温泉宿の従業員は「だいたい2時間半くらいい待っている。最近は雪の量が多かったので、ちょっと不安ですね」と語った。
<宿泊客など約160人が孤立>
約100メートルにわたり道路を塞いだ雪崩。2軒の温泉宿にいた宿泊客と従業員、合わせて約160人が一時孤立した。
相模屋旅館の関係者に電話で話を聞くと「お客は変わらずに元気、何も体調悪い人いないし、大丈夫です」と話してくれた。
<想定外の経験>
現場は、山側から流れて来た大量の雪に覆われ、道路も確認できない状態になっていたが、福島県が除雪を行い10日午前11時頃には一度孤立は解消した。
一時孤立をした宿泊客は「想定外でした。初めての経験。谷間の所がガサっと崩れていた。車がそこに行ったら埋もれてしまうという緊張はありました」と話した。
<再び雪崩 約50人が孤立状態に>
しかし、通行止めが解除された直後に再び雪崩が発生。車1台が巻き込まれたが、乗っていた人は逃げてケガはなかった。
雪崩を目撃した県職員は「車は屋根のほうまで埋もれているような状況。山の中腹から雪崩が来ているような状況で、あとはもう逃げろ!と。すごく怖い。音と振動もあった」と語る。この雪崩により県道は再び通行止めとなり、宿泊客など約50人が孤立している。
<孤立した温泉宿はいま>
再び孤立した温泉宿では、宿泊のキャンセルも相次いでいて対応に追われている。
宿の従業員は「基本的にきょうは全部キャンセルなんで、で、あした以降振替したりとかっていう感じになると思いますね。(きょうはどれくらいの電話が?)ずっと鳴りっぱなしで、今も鳴っていますね」と話す。
一方、電気や水道などインフラに被害はなく、宿泊客や従業員も落ち着いているということだ。
野地温泉ホテルの従業員は「(今の館内の状況はいかがでしょうか?)ご連泊される方はお部屋にいらっしゃいまして、従業員たちも落ち着いていますね」と話す。
二次災害の恐れがあるため、10日の作業は中断され解消の見通しは立っていない。
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