降雪後に潜む危険 「恐怖です」屋根からせり出す雪の塊 農業用ハウス倒壊 一酸化炭素中毒の疑いで死者も
大雪の危険はまだまだ続いている。大量の雪が残り、除雪に遅れも出ている福島県猪苗代町。住宅の屋根には雪が降り積もり、今にも崩れ落ちそうな状況だ。
住民は「恐怖ですね。恐怖の一言です。お年寄りの方も結構歩くんですよね。だから危ないなとは思っていたんですよね」「歩くときはいつもこっち歩いてるんですけど、右の方(落雪がないほう)を歩くようにしてます」と話す。
そして、2月10日会津若松市内ではこんな被害も。
会津若松市北会津町では、農業用ハウス1棟が積もった雪の重みに耐えきれず倒壊した。
農家の永島幸八さんは「ハウスそのものに全部60~70センチの(雪の)厚さになって、それで耐えられなくなったのかな...」と話す。
30年間ハウス栽培を行ってきた永島幸八さんにとってもこれまでに経験したことのない大雪。ハウスの中で育てていたネギの苗には被害はなかったが、ハウスの修復は難しく処分せざるを得ないという。
永島さんは「できる範囲で(除雪)やってもこれ以上のことはできなかったからなんとも...。こういう形になってしまったけどね」と嘆いた。
雪の危険と隣り合わせの日々が続く。
2月10日、雪に関する福島県の幹部会議が開かれた。2月4日からの大雪により、福島県内では死者が2人、除雪中による事故などで、重傷者が3人確認され、被害が相次いでいる。
福島県の内堀知事は「屋根の雪下ろしや、家のまわりの除雪作業を行う際には、急斜面や軒下などの危険な場所に近付かないように、改めてご自身の安全確保をお願いします」と述べた。
過去3年間で全国で雪による死者は179人、そのうち最も多いのが屋根の雪下ろしなどで約80%。落雪が14%と、この2つでほとんどを占めている。
屋根から雪の塊を落下させた場合、その衝撃は...木箱を破壊してしまうほどの、大きなものであることがわかる。
三島町地域政策課・三浦健太郎さんは「真下にいたら衝撃で、それこそ間違いなくケガしますし、埋もれてしまったら、1人でいたら間違いなく助からないというか、身動き取れなくなると思うので、そういった点は危ないなと思います」と話す。
「スマホを見ながら歩くというのは危険だと認識した」ということで、上にも注意しなければならない。
除雪の際は、2人以上で行う。晴れの日ほど、屋根の雪はゆるむ。携帯電話を持って除雪を行ってください。
また、7日には、一酸化炭素中毒の疑いで死者も出ている。福島県磐梯町で自宅敷地内に駐車中の車の中で、67歳男性が意識不明の状態で見つかりその後死亡した。
車はエンジンがかかったままで、大雪によりマフラーは埋まっていたという。
落雪や雪の重みによる被害の他にも、積もった雪による危険にも注意をしなくてはいけない。
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