IAEAグロッシ事務局長が福島県へ 除染土の中間貯蔵施設を視察「安全な方法で行われることが大切」
除染で出た土の最終処分をめぐる議論が続くなか、国際機関のトップが中間貯蔵施設を2月19日視察した。
大熊3工区と呼ばれるエリア。除染で出た土が大量に保管されている。除染で出た土約1400万立方メートルが保管されている中間貯蔵施設。訪れたのはIAEA・国際原子力機関のグロッシ事務局長だ。
事務局長としては初めての視察で、除染で出た土の保管状況や空間線量など施設の安全性について説明を受けた。
IAEA・グロッシ事務局長は「(中間貯蔵施設の状況は)IAEAの安全基準にも合致する(ことを確認した)」と話した。
一方、環境省は2045年3月までの県外最終処分に向けて、工程表案を先週公表。処分地の決定は2030年頃以降として、具体的な時期は盛り込まれなかった。
グロッシ事務局長は「私たちにとって(2045年3月までに県外最終処分の)期限は大切だが、もっと大切なのは、それが安全な方法で行われるかです」と述べた。その上で、20日に浅尾環境大臣と面会し、IAEAがどのように関与できるのか、意見を交わす考えを示した。
その後、グロッシ事務局長は約1年ぶりに福島第一原子力発電所も視察した。
除染で出た土などの再生利用と最終処分について、国は2025年春ごろまでに基本方針を夏ごろまでにロードマップを取りまとめる計画。法律に定められた県外最終処分の期限、2045年3月までは、残り約20年だ。